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淡い恋心

第16章 強き王・バリー【バリー/N】



『……好きな人を支えたいって思うのは可笑しいですかね?』

「いや、ワシはそうは思わんよ」

「……チッ……また腑抜けた事言いやがって、何が……」

『頭に血が上ってるバリーに、何を言っても無駄かしら?……強い敵と戦えなくて苛々してるとか』

「……っ……」

「ご明察……バリーの事、良く理解しているじゃないか」

『これでもずっと想ってましたから!一途なんですよ?私』

自分の赤くなる頬を押さえて照れているユウキを見たグスタフは、彼女が嘘を吐いていないと判断をしてバリーからユウキの本を奪い、彼女の前に差し出す。

『え?』

「な!?グスタフ!」

「迷っているのだろう?だったら彼女の気持ちを無下にせず受け止めたらどうだ?」

「……ユウキっ」

『ふふ、今はこの戦いの事で頭がいっぱいなんでしょ?……バリーの戦ってる姿、一度は見てから帰りたいなぁ……』

「チッ……お前の事は保留にしといてやる。先にそこの貴様、オレと勝負しろ」

グスタフの言う通りバリーは迷っていたのか複雑そうに眉間に皺を寄せると、ユウキの事は一旦置いておく事にする。
そしてバリー達の一番の目的はガッシュと戦う事だった。

「五時間後に、山のふもとの廃工事に来い」

バリーはそうガッシュに言い残し、公園を去って行った。




「なぁ、ユウキ……見逃してくれたんだ。また会いに行く必要なくないか?……本当に燃やされるかも知れないだろ」

『うん、でも私はバリーの傍に居たい……例えこの戦いで彼の気持ちが私から離れちゃっても……私の気持ちだけは変わらないもの』

告白したのは私からだった。
一目惚れだったしバリーは私の学校に転校して来た人だから、最初からフレンドリーに話せてた訳ではない。
お付き合いするまでに時間が掛かってしまい、アタックしてたのも私の方。

本当にバリーが私を愛してくれているのかは分からない。
お付き合いしても、私の一方通行だったのかも知れない。

ガッシュとも別れ、五時間街を歩き回って時間を潰し、ユウキペアはバリーがガッシュに言って居た廃工事へと向かう。

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