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淡い恋心

第9章 エッチな子は嫌い?【鷹匠/N】



『ご、ごめんなさい!……えっと……こ、こんなエッチな事してっ……』

恥ずかしさと戸惑いで頭が真っ白になってしまった悠鬼は、必死に言い訳の言葉を探す。
まさか本人に見られるとは思っていなかったので、パニック状態で背中を向けてユニホームを脱ぐ。

「……それ俺のユニホームだろ?」

『う……うん』

「俺でオナってた?」

『ご、ごめんなさい!……私、変態見たいな事っ……軽蔑したよね?』

ガチャンと部室の扉が閉まる音がすると、悠鬼の背後から静かな声色で真相を問われる。
自分の肩を抱き締めてフルフル震えている悠鬼を見た鷹匠は、自分の着ていたジャージの上着を後ろから着せてやりそのままギュッと抱き締める。

「驚きはしたが、別に軽蔑はしてねぇよ」

『あ、瑛くん?』

「悠鬼に見惚れてた……俺も十分変態じゃねぇか」

『見惚れてた?……瑛くんが私に?』

「……っ……凄ぇ、綺麗だったから」

大きく逞しい腕に抱き締められる日が来るとは思って居なかった悠鬼は、顔だけ鷹匠の方を向いて涙目で見上げる。
鷹匠にもそんな相手の羞恥心が移ってしまい、顔をほんのり赤く染めると首を傾げる悠鬼から目線を外す。

『……っ……ちゃんと洗って返すから……忘れて?』

「それは無理だな……」

『えっ?』

顎を掴まれたかと思うと、悠鬼の目の前には鷹匠のどアップがあった。
顔が離れて唇が触れていた事を理解した悠鬼は、恥ずかしそうに自分の口を押さえて鷹匠を見上げる。

「好きならそういう事したくなるもんだろ?……俺も悠鬼の事好きだし……」

『ほ、本当に?……瑛くんが私の事、好きなの?』

「こんな恥ずかしい事平気で言えるか!」

照れ臭そうに言う鷹匠の首に抱き付く悠鬼。
軽蔑されて引かれても可笑しくないのに、こんな自分を受け入れてくれる。
それが凄く嬉しい。

『私も瑛くんが大好き!……瑛くんの彼女になりたい』

「あぁ、今日から悠鬼は俺の彼女だ」

どちらからかともなく、お互いの唇を重ね合わせる。
顔を離せば照れ臭そうに微笑みを見せる。

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