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淡い恋心

第8章 任侠一家:更木組【剣八/N】



ー翌日ー

二人揃って病院を訪れるのは久しぶりで、私は不安いっぱいで待合室のソファーに座る。
それは剣八さんも同じ見たいで、家からずっと私の手を握ってくれている。

「ガキは要らない」と言っていた剣八さんだけど、私の気持ちを無視せずきちんと受け入れ様としてくれている。

『剣八さんの赤ちゃんが欲しい』と言った気持ちも…

「更木さん!どうぞ!」

『は、はい!』

看護婦さんに呼ばれて、緊張気味に診察室に入って行く私達。
中には担当医の卯ノ花先生が、優しい笑顔で迎えてくれた。

「あら、珍しいですね?旦那様もいらっしゃるなんて」

「うるせぇよ、卯ノ花。ちゃんと看なかったら許さねぇぞ」

『剣八さん!』

剣八さんと卯ノ花先生の間には、微かに火花が散っている。
二人は高校の同級生なんだとか


「この間の結果をお伝えしますね。おめでとうございます!良く頑張りましたね」

『え?』

「まだ小さいですけど、ちゃんと妊娠してますよ……悠鬼さん」

『ほ、本当ですか?……私のお腹に剣八さんの赤ちゃん居るんですか?』

「はい、確かに居ますよ。もう少しお腹が膨らんで来ると見えて来ますから、定期的にいらして下さい」

『……っ……ありがとうございます!私が剣八さんの赤ちゃん産めるのね……とても嬉しいですっ』

「どのくらいで産まれるんだ?来月?」

『ふふ、そんなに早くありませんよ』

「順調なら十ヶ月くらいは必要ですね」

「十ヶ月!?」




それからと言うもの、剣八さんの過保護は更に増した。

「悠鬼!ちゃんと足元見て歩け!段差で転んだら……」

『大丈夫ですよ!まだお腹膨らんでませんし……きゃ!?』

言ったそばから躓いてしまった私を、剣八さんの逞しい腕が支えてくれる。


「てめぇ等!家の段差は全部無くせ!」

「無理ですって!家から出る時は特にっ」

「悠鬼、お前は家から出るなよ?」

『それはお断りします!ご飯作れなくなりますよ?』

「なら買い物はコイツ等に……」

『剣八さんが一緒に行ってくれたら良いじゃないですか?』

「姐さん、それはダメっスよ!アニキと二人なんて」

「そうですよ、剣八さんと二人で狙われたら……」

『分かってますけど、結婚してから剣八さんとデートしてないんですもの……イヤですか?剣八さん』

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