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淡い恋心

第8章 任侠一家:更木組【剣八/N】



剣八さんが命を狙われている為、組が世代交代して私達が結婚してからは、一度も二人で出掛けた事がない。
必ず舎弟付き。

『まだ早いですけど、ベビー用品見に行きましょう?可愛いお洋服も見たいです!』

「……っ……俺は構わねぇよ」

「剣八さん」

「弓親、お前の心配する気持ちは分かる。俺だって出来る事ならアイツを閉じ込めて置きてぇ……けど、悠鬼の笑顔だけは奪いたくねぇんだ」

「……はい」


あの日の夜。
自分の子供は産めないと泣きながら告白して来た悠鬼は、その時までどんな思いでいたのだろう。
どうしたら愛する妻と、幸せになれるのだろうか。

もしかしたら、この世界に産まれて自分は幸せになれない運命なのかも知れない。
それを受け入れて、離れなければいけない。

愛する妻を幸せにしたいなら……





しかし、今は自分の隣で笑っている。
いつか愛する者との、愛の形を抱き締められる。

それで微笑んでくれるなら、俺は必ずお前達を守ろう。











「悠鬼……まだガキは産まれねぇのかよ?」

『まだまだですねぇ……待ち遠しいんですか?』

「違ぇよ!」

『きゃぁあ!……ダメです!剣八さん!』

「ガキが居たら出来ねぇだろ!どんだけ待たせんだよ!」

『我慢して下さいなっ!……私だって我慢してるんですから……ぁっ……』

「少しだけ……」

『ダメです!剣八さんはいつも激しいんですから、赤ちゃんに悪いです!……暫くの間、私に触らないで下さいな』

「……チッ……」


Fin.
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