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淡い恋心

第8章 任侠一家:更木組【剣八/N】



悠鬼とノイトラのやり取りを見ていた坊主頭の舎弟は、慌てて更木組へと戻って行く。

「アニキ!大変だ!」

「何だ、一角?」

「一角、空気読みなよ。剣八さんはまだ心の傷が癒えてないんだからさ」

「弓親、てめぇな」

「そんな事より!姐さんがノイトラ組の若頭に連れて行かれたんスよ!」

出掛ける際に愛する妻に言われた一言は、剣八の胸にグッサリ刺さり、今までずっと落ち込んで居たのだ。
それをおかっぱ頭の弓親が、暴露するので一睨みする。

一角の言葉を聞いた剣八は、先程とは打って変わり鋭く重い空気を漂わせる。

「あの野郎、悠鬼にまで手ぇ出すとはな……人の女に手ぇ出して、ただで済むと思うなよ」

「あ、アニキ!車は表に停めてあります!」

「急いで姐さんを助けに行きましょう」

「てめぇ等は来なくて良い、アイツを助けに行くのは俺一人で十分だ」

「「なっ!?アニキ!」」

舎弟達の制止の言葉を無視して、剣八は自分で車を運転すると、ノイトラ組の屋敷へと猛スピードで走らせる。
剣八の手に握られるハンドルは、今にも壊れそうなくらい軋んでいた。





一方、ノイトラ組では……

『……痛っ』

「アイツが来る前に、その躰堪能しとくかな……アイツを虜にした躰をよ」

『あっ!……やぁ……』

ノイトラさんは私を屋敷の中に連れて行くと、地下へと通されました。
背中を壁に押し付けられ、天井から吊るされた綱で両手首を締め上げられて、痛みに表情を歪ませる私。

ノイトラさんの手は私の着物の裾に伸び中に忍ばせると、太股を厭らしく撫でる。

「てめェを啼かさねェと気が済まねェな……もっと脚広げろよ」

『嫌です!剣八さん以外の人に触られるなんてっ』

ードンッー

私の顔の横を殴られ、鈍い音と共に壁が凹んだのが分かった。
目の前の私を見るノイトラさんの目は、今にも私を殺しそうな程鋭く冷たい眼差しをしていた。

「そんなにお望みなら、気持ち善くなんてしてやらねェよ!精々苦しんで泣き叫べよ!」

『!?……いやぁ!』

ノイトラさんの態度に恐怖を覚えた私は、帯を取られて嫌々と身体を捩る。
……がノイトラさんは私の躰を見て、目を見開き唖然としていた。

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