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淡い恋心

第33章 たった一人の想い人【半田/N】


友人が見て居る方向には本当に半田達の班が居り、悠鬼は気不味そうに顔を背ける。
グループを決めた日の事があってから、悠鬼は半田の家にも行けずに居る。
いつもの様に笑って接する事が出来るのか、自信が身に付かなかったからだ。

「半田くーん!その他ぁー!」

「その他って酷い!!」

「しょうがないさ!僕達はモブだからね!」

『……』

「……」

「男だけで恋愛おみくじなんて花がないねぇ!悠鬼!私達もやろう!」

『良いわよ!私は!』

「こういうの好きでしょ!神社だから色々ご利益あるかもよ?」

『…っ…』

「……悠鬼の気持ちが好きな人に届く様に……ね?」

『えぇ、ありがとう』

悠鬼は強引な友人に引っ張られて、半田達が引いたおみくじと同じ物を引きに行った。
運だめしに金を遣うのは無駄だと思っている半田とは違い、悠鬼はおみくじや占いを信じる為慎重にじっくり選んでいる。

「悠鬼、どうだった?」

『中吉』

「いつか叶うでしょう……良いじゃん!」

『えぇ、私結んで来るから』

友人に励まされて少し気が楽になった悠鬼は、おみくじを紐に括りに向かった。
そこには半田が一人で居り、悠鬼は重い口を開いて声を掛ける事にした。

『……清くん』

「悠鬼」

『おみくじどうだった?』

「半吉……お前は?」

『中吉』

「……」

『……』

「最近、家に来てない見たいだな?……俺の所為か?」

『……違う、清くんは助け様としてくれたんでしょう?清くんは何も悪くない』

「じゃ、何でずっと暗い顔してるんだ?俺を見ると余計にだ」

『それは……』

半田に想いを伝えたいでもこんな暗い気持ちのまま伝えるのは、自分自身が許せないと思っている悠鬼は中々決意が固められずに言葉を探すが、半田の後ろに人型の紙人形を見付ける。
それがどういう物なのか理解している悠鬼は、半田の横を通り抜けて紙人形を手に取り、悩みを綴って行く。

そしてその紙に書いた気持ちを、半田に差し出して見せる。

「!?」

『俺な訳がないって清くんが私の気持ち決め付けないで?……私、ずっと貴方の傍に居たのよ』

「…っ…悠鬼」


【私の恋心が半田 清に伝わりますように】
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