第30章 魔王な彼【有利/N】
口と指で悠鬼の胸を愛撫し続けたまま、もう片方の空いてる手は彼女の下半身へと下りて行く。
有利の指が彼女の太腿に触れた瞬間、一気に躰が強張って緊張した面持ちで有利の腕を掴んで来る。
「悠鬼……怖い?」
『怖いって言うか……んっ……私、変じゃないかな?』
「お、俺も初めてだからちゃんと出来るか不安だけど……悠鬼は全然変じゃないよ?」
彼女に自分との行為で恐怖だけは植え付けたくないと思っている有利は、顔を上げて気遣う様に悠鬼の頬に優しく触れる。
自分の愛撫に対して彼女の反応が可笑しいかと問われると、誰かと比べた事がないので有利自身、逆に自分の方が変なのではないかと自信を持ち合わせていない。
でもそれが良いと思っている。
お互い初めて同士。
初めて好きだと愛の言葉を囁いたのも、初めてデートをしたのも、初めてキスを交わしたのも、こうして躰を重ねるのも初めて。
たった一人、目の前の相手しか見られないから、こんなにも愛し合えるのだと想う。
不安はあるものの、有利にも多少の知識はある。
男子高校生だもん!俺にだって興味はありますよ!
「指、挿れるよ……力抜いてて」
『うん』
悠鬼は自分の頬に触れている有利の手を握ると、不安は消えているものの緊張は消えず有利の行為をじっと見つめてしまう。
そんな悠鬼の力を抜こうと、額や頬・唇に甘ったるいキスを落としながら膣内に人差し指をゆっくり挿入して行く。
『ぁっ……ゆ……有利ぃ……』
「大丈夫、大丈夫だから」
『ふぅ……はぁ……』
いつもは積極的な彼女に自分が流されてあたふたしてしまうのに、自分のリードで彼女のこんな可愛い一面が見れた事に嬉しく思い、有利は悠鬼を愛しく見下ろした後何度かゆっくり出し入れを繰り返し、胸の蕾を口に含んで吸い付く。
愛撫に喘ぎ声を漏らして秘部から徐々に愛液が溢れて来るのが解ると、悠鬼があまり痛がっている様子を見せて居ないので有利は指の動きを速め、時折割れ目や突起を撫でながら時間を掛けて絶頂へと促す。
『ぁあ!?……やぁ……ゆぅりッ……』
「一度イッて……最初は痛いらしいから」
『ひゃぁあ!……あっ……ぁん……』
「悠鬼っ……可愛すぎ……」