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淡い恋心

第30章 魔王な彼【有利/N】



ドレスを脱がして悠鬼を下着姿にすると、水着の時とはまた違い魅力的で有利は目を奪われたまま触れずに硬直してしまう。

『そんなに見られたら……私も恥ずかしいよぉ……』

「ご、ごめん!……悠鬼が綺麗でっ……」

いつもあまり恥じらいを見せずに責めて来る悠鬼に言われて我に返った有利は、かぁーっと頬を真っ赤に染めると顔を背けてしまうが、熱が冷め切らないまま再び彼女の手によって視線を合わせられてしまい、羞恥心から逃れる事を許してくれない。

『私もちゃんと見たいの、有利がどうやって私を愛してくれるのか……一つも見逃したくない』

「……悠鬼」

『私、知ってるつもりで……有利の事何も知らなかったッ……』

「悠鬼には向こうでの俺だけを知ってて欲しかったから」

『何で?』

「魔王とか関係なく、普通の男として今まで通り見て欲しいと思ってた」

眞魔国で起こる事の中には危険な事も沢山あった。
ヴォルフラムの事もだが自分の身に何かあったりして、その度に悠鬼を心配させたり不安にさせたくはないと思う。
隠していた事で逆に傷付けてしまった事を思い知れば、有利は悠鬼を目一杯腕の中に抱き締める。

『私は有利が好きなのよ?』

「ん……俺も悠鬼が好きだよ」

互いに【が】を強調して愛の言葉を囁く。

悠鬼が俺自身を愛してくれているのが痛い程分かる。
俺が何者とか関係なく、【俺】だけを……


触れるだけの口付けから深いものに変えると、舌同士を絡めて緩く吸い上げる。
気持ち良さの中で口の隙間から彼女の甘い声が漏れると、有利の下半身に徐々に熱が集まり始める。
緊張しながらもブラジャーのフックに指を掛けてそっと脱がせると、彼女の細い指が有利の学ランのボタンに触れて来る。

『んぅ……有利も……』

「うん……脱がせてっ」

一旦口を離して至近距離で見つめ合ったまま悠鬼に強請られると、再び唇を塞いで有利の手は彼女の胸に触れる。
有利の悠鬼を触る手付きは本当に優しく、壊れ物を扱うかの様にやんわり揉まれる。

悠鬼の身体は好きな人に触れられているというだけで、小さくピクンピクン反応してしまい、指先が震えて中々ボタンを外せないでいる。
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