第22章 ちびっ子台風【黄瀬/N】
「おにいちゃん、おうじさまみた~い」
「そうっスか?」
「りかのおムコさんにしてあげる!」
「お、お婿さん!?」
「なにいってるの?りかちゃん!おにいちゃんは、まいとけっこんするのよ!」
「なんで、まいちゃんとなのー!?」
「ま、待って下さいっス!俺にはっ!」
「良かったですね、黄瀬くん」
「く、黒子っち!助けて下さいっス!」
『可愛いお嫁さんが二人もいてくれて、黄瀬くんは幸せ者ね?』
「悠っちまで!?」
ここでも黄瀬は女の子達にモテモテで、女の子達の奪い合いがエスカレートする中、浮気現場を見られた彼氏の様に黄瀬は焦っていた。
「お、俺には心に決めた人がっ……」
「ねえちゃん!かれしいないのかぁ?」
『え、彼氏?』
「いないんだったら、おれがかれしになってやってもいいぜ!」
『あらぁ!本当?』
「だ、ダメっスよ!悠っちはっ」
「黄瀬、子供の戯言なのだよ。真に受けるな」
「けど……」
「おれはホンキだからな!おれがおっきくなったら、かのじょにしてやる!」
『まぁ!ありがとっ!』
「えぇー!」
「今時の餓鬼はマセてやがるなァ」
「凄いねぇ~」
それから皆で童謡を歌ったり、お絵かきをしたりして過ごした。
悠鬼と黄瀬に告白して来た子達に、お昼寝する時間までべったりくっ付かれ、やっと解放されたのだ。
「あぁー、やっと休めるっス~」
『やっぱ、子供は凄いねぇ?』
「加減ってモンを知らねぇんだよ……髪抜かれるかと思ったぜ」
「僕は何もされませんでした」
「良いなぁ黒ちんは~……俺も隠れたい」
『隠れたくて隠れてる訳じゃないでしょ~……ふふっ、でもあんな事言われると思わなかったよー!』
「彩條さんも黄瀬くんも、モテモテでしたね」
「偉そうな餓鬼だったな」
『でも私は凄く嬉しかったよー!子供は素直で良いよねぇ?』
「!?」
青峰達はひたすら子供達に遊ばれていたが、黒子は影が薄い為中々子供達に気付いて貰えなかった。
悠鬼が男の子に「彼女にしてやる」等と言われた事を、頬を抑えて本当に嬉しそうにしているので、黄瀬は子供相手に焦りと嫉妬を覚えてしまう。