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淡い恋心

第22章 ちびっ子台風【黄瀬/N】



「彩條さん、可愛いですね」

「悠っちは裁縫も得意なんスね!」

「って違ェだろが!!」

「彩條、これを俺達に着せる為に業と言わなかったのか?」

『そうだよ!言ったら普通の持って来ちゃうでしょ?』

「俺は嫌いじゃないよ~」

「普通で良いだろうが!」

『幼稚園だもん!普通じゃ面白くないじゃん!』

「面白さを求める必要があるのか?」

悠鬼が皆に渡したエプロンは、其々髪の色と同じ色の生地で胸には大きく動物のアップリケが施されている。
黄瀬は犬、黒子は猫、青峰はパンダ、緑間はくま、紫原はリスそして悠鬼はウサギ。

この時も反応は様々で、ちょっと良いと思う者も居れば、不服そうに顔を歪ませる者もいる。
悠鬼はそんな事お構いなしに、全員にエプロンを着せると先生の後に続いて、子供達のいる教室へと入って行く。

「さあ、皆!帝光中学校のお兄さん達が遊びに来てくれましたよー!」

「わあー!」

「きゃー!」

黒板の前で良い子に体育座りをして先生を待っていた子供達は、先生の言葉でとても嬉しそうにはしゃぐ。

『「「よろしくお願いします!」」』

「「「……」」」

『青くん、笑顔だよ!』

「俺、子供のキャーキャー言うの嫌いなんだよ……」

「俺も~……小さ過ぎて捻り潰したくなるよねぇ」

「ダメですよ、紫原くん」

「案外、可愛いっスよ?緑間っち!」

「可愛いと思えんのだよ」

『懐いて貰えば可愛いと思うよ!青くん達はもう少し愛想良くね!』

「それでは子供達と仲良くなる為に、今から自由に遊んで下さい!」

やる気のない青峰達に悠鬼達はコソコソと話していたが、先生の子供を解放する様な言葉が聞こえて来ると、子供達は一斉に悠鬼達に近付いて来る。

「うわ!痛ぇっつーの!」

「眼鏡を返すのだよ!」

「登るなってぇ~」

「彩條さんがこの間言っていたのは、こういう事だったんですね?」

『うん、子供は高いところが好きだからねぇ!皆背が高いから最高でしょ?』

「最高じゃねぇし!」

案の定、青峰・緑間・紫原の三人は、子供達によじ登られ揉みくちゃにされている。
その様子を、悠鬼と黒子は可笑しそうに傍観している。
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