第21章 奇跡家の受難【高尾/N】
『大兄......今日は......』
「朝は彼奴等とヤったんだろ?なのに俺の相手はしねェのか?悪い妹だな、悠鬼」
『......っ......』
大輝は自分がしたいので、荒々しく悠鬼のパジャマや下着を脱がせて行く。
だが悠鬼の脳裏には、違う男が思い浮かぶ。
意地悪はするが、脱がす時や愛撫をする時の手付きは優しく、時々自分を見る眼差しや表情が柔らかくなる。
悠鬼はその人を想うと、大輝の手を掴んで止める。
『大兄、私もう本当に抱かれたくないっ』
「……お前、和成が好きなのか?」
『!?』
「そうか、だから彼奴……あんな事……」
『あんな事?』
和成が自分に相談して来るのは珍しいので、少し気にしていた大輝だが、悠鬼の言葉を聞くとやっと理由が分かり、再度悠鬼にニヤァと妖しい笑みを見せる。
相手の両手を掴んで頭上に上げ、ベッドに縛ると顔を近付け……
「んな事聞いたら余計止められなくなる」
『!?』
「お前の事は何とも思ってねェけど、メチャクチャに壊して俺なしじゃ居られなくしてやるよ」
『やだ!……和くっ……んぅ!』
「和成だって俺と同じじゃねぇかよ!お前の事なんて性欲処理くらいにしか思ってねェって」
『違うの!和くんはっ』
「もう黙れよ」
大輝の声のトーンが、いつもより低くなったのに気付いた悠鬼は、タオルで口を塞がれて怯えた様な顔をする。
ヤれれば良いとしか思っていない大輝は、少し指で相手の秘部を濡らして愛液を出させると、愛撫に時間を掛けずに無理矢理自身を突き入れる。
『んぅー!!』
「おら!良いだろっ……お前はもう俺達なしじゃ居られねェんだ、今更んな事言って止められるかよ!」
『んァあ!』
十分慣らされていない行為は、悠鬼には苦痛でしかなかったが徐々に快感が増す。
大輝の言葉は正論で、今更昔の様に綺麗な自分に戻れない。
荒々しく酷く抱かれても、躰は正直にこの行為を悦んでいる。
腰を打ち付ける音、繋がっている部分から聞こえる厭らしい音、ベッドの軋む音、大輝に抱かれている間悠鬼はずっと耳を塞ぎたくて仕方が無かった。