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淡い恋心

第3章 従順なペット【跡部/N】



指を抜くと跡部は悠鬼のお尻をガシっと鷲掴みする。
それが合図だと理解した悠鬼は、ビクっと躰を跳ねさせて身構える。

尻穴に自身が宛がわれ、つい思い出してしまう。
初めて跡部に抱かれた時を……

自分がこんなにも彼に溺れるとは、その時は思いもしなかった。
処女膜を熱く硬い彼自身で貫かれた瞬間、激痛が下半身を襲ったが幸せだった。
主人とペットの関係でも、好きな人が初めて自分を抱いてくれたんだもの。

私の全部を奪って欲しい。

そう思った悠鬼は、涙目で跡部を見上げる。
抱いてる上で彼が一番してくれなかった事。

『……景吾様……私は全て貴方のものです……』

「ふ、分かってんじゃねぇか……」

『一度で良いです……キスっ……して下さい……』

「……っ……」

愛のない行為、だからこそ跡部は悠鬼の唇だけは奪わないでいた。
理解していた上で、悠鬼はじっと跡部を見上げる。

この関係が崩れるかも知れない。

「チっ……仕方ねぇ女だな」

『!?……んぅ……はぁ……』

跡部は悠鬼を俯せにしたまま、上半身だけグリっと捩じれさせて自分の方を向かせる。
顎を掴んで相手の口を覆う様に重ね、舌を捩じ込む。

ダメ元で頼んだお願いに応えてくれた跡部に、嬉しさと初めて女だと言ってくれた事に驚きを隠せない悠鬼。

『景……吾様ぁ……ぁん……』

「ん……何、泣いてんだよ?キス如きで」

『貴方が好きです……』

「っ!?」

『どんなに酷い事をされても貴方を嫌いになれませんっ……ごめんなさい、この気持ちを抑えられません』

「てめぇ……」

『ごめんなさっ……ひゃぁあ!……裂けちゃっ……ぅん』

悠鬼の本音を初めて耳にした跡部。
ペットとして自分との関係を繋げる為に、ずっとこの関係を保たせていた。
他の男に奪われない様に、自分だけを求める様に。

悠鬼のお尻に宛がっていた自身を、一気に中へと押し入れる。
電気が躰中を走る様に、激痛が悠鬼を襲う。
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