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淡い恋心

第18章 初デート【一護/N】



大事にしたいと思っているのに、俺が悠鬼さんに初めて告白した日の様なムシャクシャした感情と、嫉妬が合わさり可笑しくなってしまいそうだ。

暫くして漸く解放すると、下にいる悠鬼さんは怯えきった顔で訳が解らず泣いていた。

『い、一護くっ……』

「他の男に触ったのかよ……抱き付いたのかよ……」

『!?……ご、ごめんなさい!でも修兵さんとは何もっ……』

「何もなかったとしても嫌なんだよ!好きな女が他の野郎に抱き付いたりしてんのは!……離れてる時間の方が多いんだ!付き合ったって不安が消える訳じゃねぇよ!」

『……っ……ごめんなさい、一護くん……喜んで貰おうとしたのに、そんな顔させちゃって……』

「……っ……悠鬼さん……」

彼女の目尻からポロポロと涙が溢れて来る。
泣きながら告げる悠鬼さんの言葉と表情に、ズキッと胸が痛むと自己嫌悪に落ちてしまう。

『一護くん、それ脱いで頂戴……捨てるからっ』

「えっ」

『だって嫌なんでしょう?……一護くんが嫌がる物あげたくないもの……』

「い、嫌じゃねぇって!」

『気を遣わなくて良いから!』

「遣ってねぇよ!これはマジで嬉しいって!……悠鬼さんから物貰うの初めてだし、俺の為に作ってくれたんだろ?ちゃんと着るからっ」

『一護くんっ……ごめんなさい、もうしないからっ……』

泣き続ける彼女を抱き締めて、宥める様に沢山キスを落とす。

悠鬼さんの事になると、本当に余裕がなくなって自制が効かなくなる。
泣き顔も可愛いけど泣き顔じゃなく、笑顔で居て欲しいのに気付けば泣かせてしまっている。

餓鬼見たいに妬いて……





『私ね、毎日一護くんの事考えてるのよ?会えない間寂しいけど、浴衣を縫ってる間とっても幸せだったの……』

「俺だって考えてるよ、告白してから数日は寝れなかったし……昨日だってッ」

汚れるから浴衣を脱いで袋にしまうと、再度ベンチに座って本心を告げる。
家でも授業中でもふっと彼女を想う時は毎日の様にあり、電話をしているがそれだけでは足りなくなってしまう。

不意に片手を掴まれると、その手は悠鬼さんの胸に押し付けらる。

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