第18章 初デート【一護/N】
『まぁ……人が一杯ねぇ……』
「休日だからなぁ……」
『親子連れもカップルさんも居るのねぇ』
俺達が来たのは、隣町の遊園地。
子供っぽいかと思ったが、悠鬼さんの要望です。
学校があるので、平日来れないから仕方ねぇけど、休日の遊園地類程嫌な場所はないと思う。
メチャクチャ混んでるじゃねぇか!!
『一護くん大丈夫?……やっぱり違うところ行きたいかしら?』
「いや、久し振りに良いんじゃねぇか……中入ろうぜ?」
そう言って片手を差し出すと、悠鬼さんは首を傾げて不思議そうに見上げて来る。
彼女の目に周りのカップルが視界に入り、仲良さそうに手を繋いで入って行く。
悠鬼さんが頬を染めて照れるもんだから、俺にもそれが移ってこっ恥ずかしくなる。
この人と居ると、凄ぇ調子狂う!!俺が俺じゃないみたい!
「……嫌なら良いけど」
『ううん!イヤじゃないの!……繋ぎたいですっ……』
中々手を出さないので手をポケットに入れ様とした瞬間、彼女は慌てて手を繋いで来る。
おずおずと見上げて来る悠鬼さんは、本当に可愛くて俺は相手の反応を見ながら、指と指を絡めてギュっと握り締める。
少し戸惑いを見せる彼女は、空いてる自分の手で口を押えて耳まで顔を真っ赤にしている。
初々しいその姿は、俺の理性を簡単に壊してしまいそうなので、凝視は出来ない。
「悠鬼さんは、何に乗りたい?」
『えっと……私、遊園地とか来るの初めてで……』
「そうだよな、言われても分かんねぇよな?……じゃ、取り敢えず目に付いたのから行くか」
『うん!』
乱菊さんと違い悠鬼さんは、現世に仕事くらいでしか来た事ないので分からないのは当然だ。
俺の視界に入り彼女の手を引いて向かったのは、他の客がキャーキャー騒いでいる絶叫マシン。
悠鬼さんにはもっと静かな乗り物が良さそうだが、色々経験させて見よう……
俺にしか見せない彼女の顔を独り占めしたい。