第16章 強き王・バリー【バリー/N】
『ガッシュくん、久し振りねぇ!』
「ユウキ!バリー!……どうして!?」
『助っ人です!……今、バリーがあのバカ倒して助けてあげるからね!』
「一々勘に触るなぁ!貴様!」
「し、しかし……バリー、お主は前に戦った時私を倒すと……」
「オレがお前と再戦する為に、仲間のフリしてナゾナゾ博士に付いて来たっていう事か?……今、オレがやる事はガッシュを倒す事じゃねぇ、このファウードを止める事だ」
そう言ってバリーはキースと向き合い、激しい攻防戦を始める。
『バリー、変わったでしょ?』
「ウ、ウヌ……背中がとても大きく見えるのだ」
『ふふ、私もびっくりしちゃった……バリーもとても良い王様になれると思わない?』
「ウヌ!バリーはとても強い王様になれるのだ!」
ガッシュの言葉は、嘘偽りのない真っ直ぐな気持ちを教えてくれる。
バリーを変えるきっかけになってくれたこの子からハッキリ告げられれば、ユウキは自分の事の様に嬉しそうに微笑む。
バリーとキースの勝負は、圧倒的にバリーの方が押していて勝者も彼だと思っていた。
キースの本を燃やせばガッシュ達を出してあげられるし、次の階にもこの場にいる全員で行ける。
この戦いから全力でガッシュ達に力を貸す気でいたユウキ
達だが、キースは消える瞬間に変なボタンを押して行った。
ユウキ達とガッシュ達の間にあった透明な壁は、破壊光線へと変わりガッシュ達を消そうとしている。
「バリー!私の変わりにこの上の階にいるゼオンを倒し、ファウードを止めてくれ!!……お主にしか出来ぬ、頼んだぞ!」
「ゆくぞ、バリー!我々はファウードを止め、その後魔界の王となる目標がある!!」
「あぁ、オレは王になる為に戦って来た。王という高みを目指す」
ガッシュは皆を死なせる訳にはいかないと、王になる道よりも皆の命を優先し、破壊光線の間に入り清麿達を助け始める。
バリーとグスタフはガッシュに頼まれた通りに階段を上ろうと走り出す。