• テキストサイズ

大嫌い

第1章 大嫌い Ⅰ


由花「海央どうした?」
由花が心配そうに顔を覗き込んできた。
私、そんなに変な顔してただろうか。
海央「なんでもないよ」
笑顔を無理やりに作って言って見せた。ちゃんと笑えたかな。
由花「ならいいけど。」
と曖昧に笑いながらも由花の目からは”何かあったよね”と言っているように見えた。
会話が途切れ変な沈黙が広がった。


その沈黙を破ったのは梨子だった。
梨子「早く来ないかな~。お腹すちゃったよ。ねぇ!星奈」
星奈「そうだねー早く来ないかな?」
梨子と星奈は自分の席から店のキッチンを覗き込む。
そのおかげでこの場は和み始めた。
こんな時、2人の存在に感謝もするし頼りりなるし、やっぱり皆が必要なんだなと感じる。
奈美「星奈ありがとね。」
と星奈1人に聞こえるくらいの声でそっと言った。
それに星奈は笑顔で答えた。

数分するとさっきの可愛らしい店員が私達全員のを持ってきてくれた。…よくあんなに持てるな、と少し感心してしまう。

頼んだ物が自分の前に置かれると雑談をしながらわいわい食べ始めた。
30分くらいそんなことをしてただろうか。
空がほのかに暗くなり始めていた。
奈美・由花「私達、塾行かなきゃ行けないからそろそろ帰らなきゃ。皆はどうする?」
梨子「星奈が帰るなら私も帰るー。星奈どうする?」
星奈「うーん、2人も帰るなら今日はもう帰ろっか。」
奈美「じゃあ、今日はお開きってことで!今日はありがとね、海央。またお茶しようね。メールするからぁ。」
といつの間にか帰る準備を終えていた奈美が手を振りながら言った。
海央「うん。またね」
笑顔で手を振りながら今日はお開きとなった。
それぞれ会計を支払っている皆の姿をみながら私は怖くなっていた。

私も、会計を済ませ店を出る。
行くところもないので家に帰ろうかと思ったが、まだ帰る気にはなれずに自転車をころがしていた。
…あ、あの場所に行こう。
それは学校の裏の山。
山道も整っているため、登りやすくなによりそこには私しかしらないであろう秘密の場所があるんだ。
/ 12ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp