【進撃の巨人】Happy Birthday【生誕祭】
第3章 Happy Birthday Dear Levi 2015
どこへ連れて行かれるものかと思っていると、どうやらニナはハンジの部屋に向かっているらしい。
「おい、いったい何のつもりだ。俺はハンジに用なんてねぇぞ」
「いいから、黙ってついてきてください」
「・・・・・・・・・・・・」
まったく・・・相手がニナでなければ、“口の利き方がなってない”と蹴り倒していたところだ。
生憎、繋いだ手を引っ張りながら歩くニナが可愛くて、仕置きをする意欲がそがれてしまった。
ハンジの部屋の前に来ると、ニナはドアを4回ノックした。
すると、中でガサゴソと音がしたので、リヴァイの眉間にシワが寄る。
極力音をたてないようにしているようだが、足音からして少なくとも5人はいる。
「・・・いったい、何を企んでいやがる」
「いいえ、何も。さ、開けてください」
「・・・・・・・・・・・・」
嫌な予感しかしないが、リヴァイは渋々とドアノブに手をかけた。
ロクでもないことをしていたら、即ドアを閉めよう。
エルヴィンに内緒で巨人を連れ込んでいたら、即うなじを削ごう。
どちらにしろ、ハンジを叩きのめす。
そして、今度こそニナに“仕置き”をしよう。
ため息を一つ吐き、ドアを開ける。
キィーっという音は次の瞬間、弾けるような歓声にかき消された。
「お誕生日おめでとうございます、リヴァイ兵長!!」
そこにいたのは、エレン、ミカサ、アルミン、ジャン、コニー、サシャを始めとした調査兵。
ハンジとモブリット、そして、エルヴィンまでいた。
「・・・なんだ・・・?」
「やだなぁ、リヴァイ! 自分の誕生日を忘れちゃったの?!」
「ハンジ・・・これはいったいどういうことだ」
「見れば分かるでしょ! みんな、リヴァイの誕生日を祝うために集まったんだよ!」
リヴァイは軽く混乱しながら、ニナの方に目を向ける。
すると、誰よりもリヴァイを深く知る女兵士は、微笑みながら口を開いた。
「今日は、リヴァイ兵長が生まれた日・・・お祝いするために、ケーキを用意しました。エレン達が一生懸命作ってくれたんですよ」
見ると、テーブルの上には大きなケーキが乗っている。
スポンジに白いクリームを塗っただけのそれには、数十本のロウソクが立っていた。