【進撃の巨人】Happy Birthday【生誕祭】
第3章 Happy Birthday Dear Levi 2015
「これ・・・お前らが、わざわざ用意したのか?」
「すいません、サシャのバカがイチゴを全部つまみ食いしてしまったから、とても寂しいケーキになってしまいました」
エレンが申し訳なさそうに言う。
その隣で、ミカサがサシャの頭を掴んで、深くお辞儀をさせていた。
そのケーキは、昔、母が用意してくれたものによく似ている。
しかし、正直、リヴァイは戸惑っていた。
「お前ら・・・たかが俺の誕生日に、なんでここまでする? 他にもやることはあるだろう?」
「え? でも、お祝いしたかったんです」
エレンは当然のことのように、リヴァイの顔を真っ直ぐと見て言った。
いつも世話になっているから、という理由だけではない。
戦いの場では先陣を切って自分達を導いてくれる、兵士長への感謝の気持ちを示したい。
それだけじゃない・・・
「リヴァイ兵長」
ニナが、リヴァイの手を握って微笑む。
「貴方がこの世界に生まれてきてくれて、私達は嬉しいんです」
その言葉に、リヴァイの瞳が広がる。
“ 貴方がこの世界に生まれてきてくれて、私は嬉しいの ”
兵士である私達は、明日にも死ぬかもしれない。
でも・・・
「一緒にこうしてお祝いして差し上げられることが、みんなとても嬉しいんです」