【進撃の巨人】Happy Birthday【生誕祭】
第2章 Happy Birthday Dear Eren
「あの人はいったい・・・」
すると、周りにいた大人の一人が口を開いた。
「最近、調査兵団に入った奴らしい。なんでも訓練免除の逸材だってよ」
「ふーん・・・」
名前も知らない、兵士。
でもまた会えるような気がする。
たとえ、致死率が高い調査兵であったとしても、きっと彼はエレンが同じように双翼を背負うまで生きている。
そう思えてならなかった。
「エレン」
上の空なエレンの腕をミカサが引っ張る。
「行こう。おばさんがケーキを用意して待ってる」
「ああ」
誕生日にだけ許される贅沢。
木苺が飾られた甘酸っぱいケーキは、母親が毎年エレンの誕生日の日だけに作ってくれる。
エレンの大好物だった。
帰ったらきっと、部屋中に甘い匂いがたちこめているだろう。
「エレン、お誕生日おめでとう」
そう言って、腕を大きく広げる母親がそこにいるはず。
でも・・・
あの笑顔は、もう無い。
母さん・・・