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【進撃の巨人】Happy Birthday【生誕祭】

第1章 Happy Birthday Dear Levi




厚い雪雲。
暗い。
しかし、重くはない。


「ニナ・・・」

さっきまでは、雪のひとつひとつが重くのしかかるようだった。
しかし今はただの美しい氷の結晶となっている。

ニナがそばにいる。
ただそれだけで、こんなにも世界は色を変える。


「ありがとう」


愛しいその体を抱きしめる手に力が入る。


「だが、俺はやはり“最後”にこだわるな」

「リヴァイ兵長?」


赤い頬を指で撫でる。


「お前にとって・・・俺は初めて愛した男ではないかもしれねぇ」


その唇に口付ける。


「俺が初めてのキスの相手じゃないだろう」


自分を不思議そうに見つめるその瞳。
愛しくてたまらない。


「そして、初めて体を開いた相手でもないだろう」


「・・・・・・・・・・・・」

もう少し早く出会っていれば、そうだったかもしれない。
リヴァイに抱かれる頃にはすでに処女を失っていたニナは、いたたまれなくなって目を伏せた。

「だが・・・」

それでもニナを抱きしめる腕の力は変わらない。
リヴァイは心から愛しそうにその顔を見つめた。


「俺は、お前を抱く最後の男になりてぇと思う」


ニナの最後の肌の温もりは、自分のものに。


「お前にキスをする、最後の男になりたい」


後頭部を掴み、口を全て覆うように唇を重ねる。
不意打ちの深いキスに怯んだニナが、後ずさりをしようとしたがそれすらも許さない。
腰を抱き寄せて、舌をねじ込んだ。

「ん・・・っ」

息が続かなくなって解放すると、リヴァイの腕の中で全身の力が抜ける。
そんなニナが愛しくてたまらない。


「愛してる、ニナ」


心からの気持ちを、お前に捧げる。


「だから、お前に愛される最後の男になりてぇと思ってる」


雪が舞降る、聖夜。
抱き合う恋人同士が願うのは、本当に些細なこと。



「ニナ・・・俺は、全てにおいてお前の“最後”となるつもりだ」



愛する人に“最後”の瞬間がすぐに訪れないように。
そして、その瞬間には必ず自分がそばにいるように。

願わくば・・・




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