【進撃の巨人】Happy Birthday【生誕祭】
第1章 Happy Birthday Dear Levi
「リヴァイ兵長」
ニナの両腕がリヴァイの腰に回った。
体を寄せ合い、寒さの中で互いの体温を分け合う。
「日々寒さを増し・・・雪は白さを増し・・・」
白い吐息が、リヴァイの鼻先をくすぐる。
「暖炉は温かさを増し・・・灯りは明るさを増す・・・」
朝、寒さで目を覚ますと、窓の向こうに広がっていた白銀の世界。
“責任”から逃れられず、徹夜をしていた団長の部屋でくすぶっていた暖炉。
ハンジ達が樅の木に飾っていたガラス玉が反射する、ランプの灯り。
この日、見てきた全ての光景がリヴァイの脳裏に蘇る。
「そして・・・心の距離は、より近くなる」
ぴったりと寄せ合ったリヴァイのニナの心臓。
温かさと、愛しさがゆっくりと込み上げてくる。
「貴方は、そんな日に生まれた」
黒髪に乗った雪を払い、滅多に感情を表に出さない顔を撫でる。
「貴方は死んだ日の方が大事だと言うけれど・・・」
暖かい両手がリヴァイの頬を包み込む。
「リヴァイ兵長は、“生きている”」
そして、そっと唇を重ねた。
「もし貴方が死を迎えることがあれば、私はその瞬間をこの胸に刻むでしょう」
「・・・・・・・・・・・・・」
「でも、貴方が生きている限りは・・・」
私に貴方が生まれた日を祝わせてください。
できれば、貴方か私のどちらかが死ぬまで。
「最期ではなく、誕生した日の方が大切ですから」
切なそうに呟き、リヴァイの胸に顔を埋める。
そんなニナの体を抱き寄せ、空を見上げた。