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【進撃の巨人】Happy Birthday【生誕祭】

第1章 Happy Birthday Dear Levi




「ありがとうございます、リヴァイ兵長」

舞う雪の中で微笑むニナ。
柔らかい月明かりがその顔を照らした。


「私が心も体も、そして命も捧げるのは貴方だけです」


“愛してます”


その言葉を聞いた瞬間、心に重くのしかかっていた罪悪感が軽くなったような気がした。
もちろん、仲間を救えなかったという罪そのものは消えない。

しかし、ニナがそばにいるなら、死んだ者の意志を全て抱えても前に進める。


「・・・何よりの誕生日プレゼントだな」


頭を撫でると、嬉しそうに笑う。

初めて、自分の生まれた日が特別だと思った。
愛する人に自分の気持ちを伝えることができ、そして彼女の気持ちも確かめることができたのだから。



リヴァイはニナの髪や肩に軽く積もった雪を優しく払った。

「中に入るぞ、風邪ひく」
「はい」
「今日はこのまま俺の部屋に来い」

部屋に戻ったらすぐに裸になるのだから、あまり意味がないかもしれないが。
まぁ、すぐに“熱く”なるからいいだろう。

「リヴァイ兵長・・・何か企んでますね」
「あ? 当たり前だ、お前をこれから抱く」

首に腕を回し、ニナの頭を抱え込む。


「今日は俺の誕生日だからな。たっぷり楽しませろ」


グリグリと後頭部に拳を押し付けると、くすぐったそうに笑った。

「でも、あと数時間ですよ」

「その数時間でもできることはたくさんある」


“ああ、怖い”と再び笑う。

そんな些細なことが幸せだと思った。
これが生きているということか。

ならば、明日からはもっと多くの命を守ろう。
そのためには地獄に身を堕としても構わない。


講堂の前を通ると、綺麗に飾り付けられた樅の木が目に入った。
それは、生まれて初めて自分の誕生日を祝うことができたリヴァイを祝福するように、キャンドルの優しい光に照らされていた。



「リヴァイ兵長、お誕生日おめでとうございます」



木を見つめる兵士長にそう言ったニナだけじゃない。

リヴァイを愛する、全ての人の想いがそこに込められていた。




生まれてきてくれて、ありがとう。






Fin.


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