【進撃の巨人】Happy Birthday【生誕祭】
第1章 Happy Birthday Dear Levi
「せっかく生まれても、簡単に消えていくのが人間の命なら・・・」
手のひらに落ちては溶ける雪。
“ 兄貴! 見て見て、雪だ! ”
「その最後を忘れないようにするのが、残った奴のすべきことだと思う」
ファーラン・・・イザベル・・・
壁外で死んでいった仲間達・・・
幾千もの雪がこの肩に降り積もり、体を凍らせる。
この雪のひとつひとつは、自分が守れなかった命だ。
積もった意志は重いが、これを背負って戦わなければいけない。
リヴァイが辛そうに顔を伏せると、ニナは反対に楽しそうに空を見上げた。
そして、口を大きく開ける。
「・・・何してる?」
怪訝そうな顔の兵士長の問いに、笑顔を見せた。
「雪って美味しいんですね」
冷たく、儚い雪。
でもその味は、優しい。
そう言ったニナに、リヴァイの瞳が大きく開いた。
「雪は冷たいし、積もれば重たい。すぐに汚れてしまうし、消えてもしまうけれど・・・」
唇を雪で濡らし、微笑む。
「私は雪と、雪が降る季節がとても好きです」
“ 俺、初めて雪を見たよ。やっぱり今日は特別な日なんだな ”
「・・・イザベル・・・」
雪を見てはしゃいでいた、かつての仲間。
12月25日を“特別な日”だと、初めて言ってくれた人。
ニナの屈託のない笑顔が、それを思い起こさせた。