【進撃の巨人】Happy Birthday【生誕祭】
第1章 Happy Birthday Dear Levi
「探しちゃいましたよ、ずっと姿が見えないんですもん」
「何か用か?」
「用がなければ、リヴァイ兵長のお側にいてはいけませんか?」
「・・・・・・・・・・・・」
リヴァイは黙ったままニナの腕を解くと、自分から抱き直す。
数粒の雪が、柔らかな髪に絡まっていた。
「・・・寒くねぇか?」
「大丈夫です」
二人して屋上の柵に寄りかかり、空を見上げる。
真っ暗な雲から、真っ白な雪。
それを照らす月。
とても美しいと思った。
「リヴァイ兵長・・・お誕生日、おめでとうございます」
その言葉に、リヴァイの瞳が揺れる。
「どうしても二人きりの時に言いたかったんです」
寒さのせいもあるのか、両頬を赤く染めて微笑む。
とても愛おしいと思った。
しかし、リヴァイは眉間にシワを寄せる。
「別に大したことじゃねぇだろ・・・どいつもこいつも特別な日とか言いやがって・・・」
ただ、自分が生まれた日というだけのこと。
それのどこが特別なのか。
するとニナはリヴァイの腕の中で笑った。
「ふふ、兵長らしい。でも特別ですよ、少なくとも兵長を慕っている人達にとっては大事な日なんです」
エルヴィン、ハンジ、ミケ、モブリット、ナナバ、エルド、グンタ、ペトラ、オルオ。
皆、リヴァイを慕い、幸せを願っている。
「そして、私も・・・」
凍えた兵士長の頬に、キスをする。
「貴方の幸せを、願っています」
そこからふわりと温かさが広がった。