第1章 新たなる出会いの1歩
〜アリババside〜
「ただいまー」
家にかえるとアオバは寝ていた
アリ「ったく、ちゃんと布団で寝ろよな」
アオバを布団に移動させるために
抱き抱える
アリ「(軽っ!こいつちゃんと飯食ってんのか?…いや、食ってるな…うん)」
アリババの脳裏にいつも目の前で
大量の飯を摂取するアオバがよぎる
アオバを布団に寝かす
すると
月の光がアオバの赤い髪を照らし
美しく幻想的に輝いていた
肌は白く照らされ
まつ毛は肌に影を落としていた
思わずアリババは見惚れてしまい
アオバの顔をまじまじと見る
アリ「(こいつよく見ると綺麗な顔立ちしてるな…いっつもフードかぶっててよく見えなかったけど…)」
そんな感想を持ちながら
アオバの顔を見ているとある事に気づいた
アリ「涙の痕…?」
アオバの頬に涙の痕があったのだ
アリ「(泣いてたのか?…でもなんで泣いてたんだ?)」
アリババはアオバが泣いてた理由が
とても気になって仕方がなかった
アリ「(なんでだ?最近俺おかしいぞ)」
昼間の同僚との会話を思い出す
同僚「なぁ、アリババ」
アリ「なんだ?」
同僚「お前、アオバの事好きなのか?」
アリババは思わず持っていた荷物を落とす
アリ「んなわけねーだろ!!いきなりなんて事言うんだよ!!」
同僚「そうなのか?だってお前いつもアオバの事目で追ってるぜ?」
アリ「は?…嘘だろ?」
同僚「嘘じゃねーよ、実際いつも俺達と話すときお前アオバの事目で探してるぞ」
アリ「それは…ほ、ほら!アレだ!後輩だから先輩として気になるんだよ(多分)」
アリババは自分がそんなことをしている
自覚がなかった
同僚「いや違うな!あれは」
「恋をしてる奴の目だ!!」
その言葉を思い出した瞬間
アリババの顔に熱が集中する
アリ「(好き?俺がこいつを?んなわけ…ねーよ…多分)」
その夜アリババは一人でただひたすら
自問自答を繰り返していた