第1章 新たなる出会いの1歩
馬車の運転手の仕事に就いてから
半年がたった
仕事にもなれアリババ君ともかなり
仲良くなれた
「アオバー!!」
聞き慣れた声に振り返ると
貴方「アリババ先輩!」
アリ「アオバわりぃけど今日残業があるから先帰ってくれ」
貴方「わかりました!」
そして俺はいまだにアリババ君の家に
居候してる
コツコツ
コツコツ
貴方「(アリババ君遅くなるのか…飯つくって先に寝とくか)」
コツコツ
コツコツ
コツコツ
ピタッ
貴方「ただいまー」
シーン
誰もいない部屋に自分の声が響く
独りで飯を作って
独りで飯を食べる
前は当たり前だったことが
今ではこんなにも寂しく感じるなんて
思ってもいなかった
[独りはさみしい]
そんな感情ととても大きな孤独感に
襲われ思わず涙が零れそうになる
思えばこの世界に来てからは
独りになることはなかった
いつも誰ががまわりにいて
「ただいま」
って言えば
「おかえり」
って返ってきた
それは計り知れないほどの幸せなんだ
ポタリ
ポタッ
気がつけば俺の目からは涙が零れていた
ゴシゴシ
ゴシゴシ
ゴシゴシ
貴方「なんでぇ?」
拭いても拭いても
涙は止まらない
嗚呼、なんて自分は弱いんだろう
再び自分の弱さを感じてしまう
貴方「ハハッ」
嘲笑してしまうほどに
無様で情けない
自分が嫌になる
そして逃げるように
意識は闇に堕ちていく
「ただいまー」
遠くでアリババ君のこえがしていた