第2章 全ての始まりの2歩
今度は俺が助ける番だ
ブー「このっ!死ねっ!死ねっ!無礼者!
化け物に食われて死んでしまえっ!」
アラ「大変だっ、おにいさんと
アオバ君がっ…」
プ〜
プ〜
アラ「!?」
アラ「あれぇ!?笛に砂がつまって
ウーゴ君が出てこない……
出てこないよぉ!」
ブー「あの運転手め、
ワシの酒をどうする気だ?」
アリ「酒は…
こう使うんだよっ……!」
アリババが酒樽を砂漠ヒヤシンスに
向かって投げる
すると砂漠ヒヤシンスは酒に酔ったように
ヘニャっと脱力した
アリ「砂漠・ユリ科の肉食植物は酒に
酔うんだ!酔い潰れたら地中に帰ってくれる。今の内に逃げるんだ!!」
アリ「アオバ!」
呼んでも返事はない
それどころかアオバは青白い顔でぐったりとしていたその目は固く閉じていた
アリ「嘘…だろ?」
アオバを抱き抱えると
体は冷たくなり始めていた。しかし口に耳をよせるとかすかだが息をしていた
急いでアオバを上にあげる
自分も上がろうとしたその時
「アリババ!!まだだ!!」
アリ「酒が“足りてねぇ”…!!」
アリ「くそぉーっ!」
アリババは最後の悪足掻きのように
触手をナイフで切るが
ゴッ!!
首の後ろを殴られる
アリ「こんなところで…
死んで…たま…る…か…」
絶望する者、泣き叫ぶ者、神に祈る者
様々な反応だがみな思うことは同じ
[アリババを助けて]
ガシッ
バサァ
突然青髪の小さな少年が頭に巻いていた
布を広げる
「飛べっ、魔法のターバン!!」
小さな少年がそう言うと
布は沢山の酒樽をのせて[飛んだ]