第4章 Similar to confession
「........え....?」
予想外すぎる言葉に、ふと声が漏れた。
それと同時に、私を包む手に少し力が加わる。
「家に帰ったとき、笑いながら部屋の前に座ってるお前がいないと、苛々する。」
「...........」
「飯食おうとすると、お前の味思い出して.....全部不味く感じる。」
「...........」
「寝ようと思っても、目ぇ瞑ったら、お前の能天気な顔が浮かんで寝れねぇ。」
「...........」
「酒飲んでも、全然酔えねぇ」
元々ザルじゃん......
そう呟いた。
勝手にまた、頬が濡れる。
どうしよう。これ以上泣いたら、ほんとに目がヤバイことになる。
「あの女が、....お前に電話したんだろ」
「.........」
「悪かった」
「.....ッ」
「あの女はずっとしつこかった奴で、一度ヤレば諦めるとかいうから、そうした」
あの女の人の色っぽい声が、今そこにあるように耳に蘇る。
心臓に釘を刺されたように、痛い。
「だから許せって訳じゃねぇ。」
「ッ.....」
「お前の気が済むまで、どんなことでもする」
「ず.....ロー、が....?」
「だから、頼む」
抱きしめなおすようにされて、その圧に押し出されるように、また熱い涙がボロボロと溢れた。
「俺への気持ちを過去にするな。」
「.....ッ、.....」
「なかったことにするな。」
ズズズ、と私が鼻を啜る音が間抜けに響く。
どうしよう。
色々なものが溢れてきて止まらない。