第4章 Similar to confession
あと3歩でも進めば、私が座るソファまでたどり着くというところにローは立っていた。
仕事帰りなのか、ワイシャツ姿だ。
「......ロー.....」
何もなかったかのような、いつもの表情。
私をジッと見ているだけ。
もう麻痺してしまっているのか、また涙腺が緩むのを感じた。
このままローを視界に入れているのは無理だと一瞬で思い、私は慌ててソファから立ち上がった。
「アオ!!」
そのまま窓際に小走りし、カーテンに隠れるようにして丸くなる。
泣いた後の顔を見られるのも、嫌だ....。
包まったカーテンは洗い立てなのか、洗剤のいい匂いがした。
布にすがり付くように、ギュウっと強く握り締めた。
「何で....ロビン....ロビンは?ロービーンー!!!」
大声を出したつもりだけど、カーテンに吸い込まれ、その声はこもって聞こえた。
「......あの女なら、ちょっと買うものがあるって出て行った。」
「....え?ウソでしょ....」
「アオ」
スタ、スタ、とまた微かな足音がして、ローが近づいて来ているんだということがわかった。
「こ、来ないで!!」
そう叫ぶと同時に、ぴたりと足音がやむ。
「.....ごめんなさい、ロー。....でも、お願い....
い、今は、わたし.....まだ......」
「.........」
「.....まだッ.....」
___まだ、ローの顔をちゃんと見れる自信がない。
そう続けようとしたけど出来なかった。
ローが、カーテンに包まる私を更に包むように、抱きしめてきたから。
「ッ、ローッ.....」
「顔見たくねぇんなら、このままでいい。聞け。」
「.........」
「.......普通に生活できねぇんだ。」