第4章 Similar to confession
「ごめんね。ロビン。結局お言葉に甘えちゃって。」
小さなトレーにアンティークであろうティーカップを乗せてキッチンから戻ってきた友人に言うと、優しい微笑みがかえってきた。
「何言ってるの、構わないわ。一人暮らしなんだし。」
ふふ、と笑って、私にティーカップを差し出してくれる。
それを受け取るとジャスミンの香りがふわりと鼻をくすぐった。
あの日.....家で1人になりたくなくて、夜ナミとロビンに付き合ってもらった。
心配掛けるだけだと、ローのことは話題にもしていないのに
2人にはすぐに見抜かれて。
「何かあった?今日はとことん付き合うわよ」
そう言ってくれたナミと
「家に帰りたくないなら、うちに来たらいいわ。」
そう言ってくれたロビン。
そんなに顔に出ていたのかと思うと同時に、ローと本当に終わってしまったんだなって実感してしまって。
切なさも相まって、泣いてしまった。
泣いたら、そこで終わりって認めなきゃいけない気がして...
怖かった。
ロビンに
「1人でいたら鬱々としてしまうと思うから、しばらくはここにいるといいわ。」といわれ、それから丸3日もお世話になってしまっている。
1人でいたら、絶対ローのことばかり考えて、今頃こんな穏やかな気持ちにはなれていなかった。
「ダメだなぁ、私。誰かに頼らなきゃ生きていけないなんて。」
わざと明るく言ってソファの背もたれに背中を預ける。
ロビンも私の隣に座り、また柔らかに笑った。
「皆、誰かに頼りながら生きているんだもの。悪いことではないと思うわ。」
「.....ありがと。ロビン。」
「ちゃんとお仕事行ってるだけ偉いわ、アオは。」
「あんまり褒めないで---!調子のるから。」
少しおどけてそう言うと、ロビンはクスクス笑った。