第4章 Similar to confession
”ロー私疲れちゃった・・・”
そう呟けば
「・・・・は?」
という不機嫌な声が返ってきた。
「もう、やめたい......」
「........。」
「わ、私のこと!ちゃんと好きになってくれる人が、
いいなって。」
「.......」
「.....そんな人いないかもしれないけど...探したい。」
私の腕を掴んでいたローの手から。力が抜けた。
その手を目で追う。
開放された腕にはローの手の暖かさが残っていた。
「......本気で言ってんのか」
手の暖かさとは裏はらにローの声には冷たさが含まれていた。
それにさえ傷つく自分じゃ......確かに、ローの彼女は務まらないのかもしれない。
「本気も本気!!」
顔を上げた先には、やっぱり眉間に皺を寄せた怖い顔
「ごめんね、ロー。1年も付き合わせて....」
「.....お前は、」
「ローは、はじめから言ってた。恋とか愛とかわからねぇって....」
「..........」
「それでも私、ローが、大好きだったから....
......幸せだったよ。」
自分の呼吸の音が、やけに体内に響いた。
意外に心臓の音はうるさくなくて、
別れなんてこんなもんなのかなって、心の中なのに強がったりして。
「これからは、自由にして....自分のしたいように。
....ね?」
「.......どういう意味だ。」
「.....そのままだよ。そもそも、1人の人に縛られるなんて、何か違うよね、ローは.....」
「待て。お前まさか」
「ね、ロー」
「おい!!」
「何も言わないで。せっかく頑張って決意したのに。」
ふふ。と笑ったつもりだけど、笑えていたかどうかわからない。
「......今までありがとう。本当に、愛してたよ。」
珍しく....少し心を乱したように表情を変えたローがいまさらながら愛しくて、さっき離れたばかりの手を取り、そのカクカクした細長い指にキスをした。
もう、ローの顔は見れなかった。