第1章 1.warmth
「ご飯どうする?作ろっか??」
「・・・疲れてるならどっか食いに行くか?」
「作るくらいは大丈夫だよ。笑。
家出食べたほうがローもお酒飲めるしいいでしょ?
何食べたい??」
「・・・まぁ、酒はそうだな。
・・・ハヤシライス食いたい。」
「Ok!!じゃ、買出しして帰ろ。」
「あぁ。」
ローはハヤシライスが好きだ。
混ぜるだけで簡単だからあたし的には楽で助かる。
ローのいえから近いスーパーで買い物を済ませて家に帰った。
久しぶりにきたローの部屋。
相変わらず本が溢れてる。
ほとんどが英語やドイツ語で書かれた医学書で、あたしにはチンプンカンプンだけど。
「ローは本でも読んで待ってて。すぐ作るから~!!」
エプロンをつけて料理に取り掛かる。
その間ローはソファーで本を読み出した。
ローの部屋のキッチンはカウンターキッチンになっていてそこからソファにいるローが見える。
調理しながらローを眺められるなんて...なんて素敵な場所。
ここにいると少しだけ特別な位置にいることを実感できる。
ローを眺めながら玉葱を切っていた。
「っいっ!!!」
やってしまった。ま、舐めておけば治るか。
そう思って少し切ってしまった指を舐めていると
「おい!!」
「ん、おー(あ、ロー)」
「何やってんだ!!ったく。」
少し不機嫌なローがあたしの手を取って傷口を水で洗い流す。そして片手に持ってきていた救急箱から絆創膏を取り出してキレイにまいてくれた。
「ありがと。...ドジだよねーーー笑。」
「ったく。また俺のこと見てるからだろ。
手元を見ろ、手元を。」
またしても気付かれていたのか・・・///
「ゴメンゴメン。早く作らなきゃね!!ロー、赤ワインとってー。」
「おまえ、反省してないだろ。
ほら、ワイン」
「ありがとー。あと煮込めば終わりー。」
デミグラスソースやほかの調味料も入れて10分も煮込めば出来上がりだ。