第4章 Similar to confession
『もしもし?』
「どちら様・・・でしょうか?」
『あなたの彼氏の次の彼女候補です』
「・・・え?」
『先日はあなたの彼氏、お借りしちゃいまいたぁ~』
クスクスと軽く笑っている気配。
体中からぶわりと嫌な汗が吹き出たような気がして、一気に気持ち悪さに襲われた。
まさか、と思うのも馬鹿馬鹿しいほど・・・電話の向こうから、明らかな敵意を感じる。
「・・・どうして、わたしの番号・・」
『そんなの、ローさんの携帯見たに決まってんでしょ』
「・・・・・。」
『ねぇ、何でまだ別れてないの?キスマーク見たでしょ?
あなたに見せるためにわざと分かりやすいところに付けたんだから』
「・・・・・。」
『それとも、浮気容認ですかぁ~?』
「ッ、・・・・な、」
『それなら、定期的に私にも貸して下さいよォ~ローさんを。』
「貸すって・・・ローは物、じゃない」
『はぁ??』
オーバーな程の口調でそう返した彼女は、『ていうか、』と続けた。
『浮気を容認することも出来ずに彼女面しないでくれる?』
「・・・どういう意味ですか・・・?」
『ローさん程の人、誰かが独り占めして言い訳ないって言ってんの』
「・・・・・・・。」
せめて、ほかに女作るくらい許しなさいよね。
その言葉を最後に、まだ何か言いそうな彼女から逃げるように終話ボタンを押し、ついでに電源も切った。
携帯をつかむ両手がガタガタと震えた。
壁に向かって、はぁ、はぁ、と荒い息を吐く。
すぐには受け止められないようなことが、一気にあり過ぎて、何から考えれば良いのかまったく分からない。
今の人が・・・・ローの、浮気相手・・・・
自分に自信があるような話し方だった。
私と同じくらいの歳?
どこで出会ったのかな?
ローの浮気を容認??
ほかに女の人と関係を持つことを、容認・・・??
ローは私に飽きたのかな。
ダメだ。
頭の中グチャグチャだ。
どうしよう。
・・・・・・・どうしよう。