第4章 Similar to confession
「お疲れ様でしたー・・・」
仕事で疲れた身体を引きずるように、出口に向かう。
だけど、今は働いている時が一番楽かも知れない。
何も考えずに済むから。
僅かでも手を止めれば、その隙間を縫うようにしてローと知らない女の人が頭に浮かぶ。
その度に胸が苦しくて、息が出来なくなるから。
こんな状態じゃ、怖くてローとも会えない。
あの日からもう3日・・・何も行動できずにいる自分が本当に嫌だ。
本当のことを知りたい。
でも知りたくない。
そのループ。
エレベーターを降りてすぐ、バッグの中の携帯電話がピロンッとメールを知らせる音を立てた。
取り出して、受信されたメールを確認すると
差出人は、ローだった。
『何かあったか』
絵文字も何もない、普通に見たら素っ気無い文面。
だけど、ローが打ってくれたんだと思うと、それだけで優しいメールにかわる。
・・・・3日も何も連絡しないなんて始めてだから、心配してくれたのかな。。
胸の奥が、ギリギリとひねられた様に切なさに軋む。
ロー。
会いたい。
ロー・・・
その文面をそのままにして足を止め、携帯を額にあてて目を閉じていると、
RRRRRRR・・・・・・
と携帯が震えだした。
一瞬ローかと考えてしまい、ハッとする。
だけど、液晶画面には知らない番号。
・・・・・誰??
「・・・・はい。もしもし。」
仕事を終えた社員が後ろのエレベーターから数人降りてきて、邪魔にならないよう隅に移動しながら、窺うような慎重な口調でそう言った。
すると、電話口から聞こえてきたのは、女の人の声だった。