第3章 On the side
温かくて…まだ寝ていたい。
髪を梳いて額を撫でる手が、心地良い。
起きたくないよー……会社行きたくないよー…
…なんて思っていたが。
「はっ!!会社!!」
ガバリと起き上がって時計を見れば針が12時を指していたから、体が固まった。
「きゃー!!遅刻ー!」
どうしようどうしようとパニックになっていた時、声がした。
「今日は、日曜だ。」
え、と思って振り向くと、背筋を伸ばしたローが「バカ」と笑っていた。
「あ…!そっか…今日、日曜日か…」
焦った~…と心底ホッとして、アオは再びベッドに倒れ込んだ。
「…曜日もわかんねぇくらい忙しいんだな。」
「ん……そうかも…ι」
ローの腕に頭を乗せると、クククと笑う顔とともにキスが落ちる。
3回目のキスの後、ローが言った。
「…考えたんだが。」
「何?」
「お前今週中に部屋引き払え。」
「………えっ!?何で!?引き払ってどこ住めっていうのよ!?」
「俺んトコ来ればいいだろ。会社にだって俺んちからの方が近ぇんだし。」
突然の引っ越し宣言に目を見開いたアオを見て、ローはクククと笑うのだった。