第3章 On the side
「アオ、お前食わねぇのか?」
「うー…ん…今日はいいかな」
「…とか言って、どうせいつもマトモに食ってねぇんだろ」
図星なため言葉に詰まるが、だって食欲ないもんと言い訳をする。
それすらもお見通しなのか、ローはニヤリと笑うと冷蔵庫を開けた。
「コレなら食えんだろ」
差し出された白い皿に入った真っ赤なイチゴ。
「…買ったの?ローが??」
「…悪ぃかよ」
ちょっと拗ねたような目をするから、可笑しくて笑ってしまった。
それは今日見せた初めての笑みで、ローは内心うれしく思う。
「ほら」
「…えっ//」
笑って中々手を付けないアオに、イチゴを摘んで口元へ差し出す。
「い、いいよ//自分で食べるよ」
「あ?俺のイチゴが食えねってのかよ?」
「だって…なんか…」
恥ずかしいし…なんて言うアオが可愛い。
笑いそうになるのを抑えて、ローは再度イチゴを掲げた。