第3章 On the side
ローに、ほら、口開けろ。なんて言われては抗うことなどできず。
頬を染め、目を閉じて口を開けた。
「んっ…」
「うまいか?」
甘酸っぱさが一瞬だけ口に広がる。
思いの外甘いイチゴに、自然と美味しいと呟いていた。
「だろ?ほら、もういっこ」
「ん」
美味しいと聞いて顔を綻ばせたローに、アオも嬉しくなる。
恥ずかしさなんて何処かに行ってしまって、笑みを零しながらイチゴを幾つも口にした。
「アオ、ほら。」
何個目かのイチゴで、妖しくローの目が光る。
「ん……っ…?」
イチゴを摘んだ指が、引かずに口内を暴れ出したため、アオが体を強張らせる。
「うっ…ふ…ロー?」
「ん…?どぉした?」
人差し指と中指が擽るように動き、唾液を溢れさせていく。
止めようにも止められずにいると、身を乗り出したローが顎に伝った唾液を舐めた。
「ふぅ…ん、ん…」
舌の上で、指がイチゴ転がしている。
その間にもローは左耳を舐めてくるから、アオの唇はくぐもった声と唾液を止められずにいた。
「はっ…あ、んんっ…うー」
耳朶を甘噛みし、穴に舌を差し入れて濡れた音を立てる。
ローの吐息が冷たく感じるくらい、耳は熱く真っ赤に染まっていた。
「ロ……ロォ…ふ…」
「ん…?」
顎をゆっくり舐め上げられると指先が震えて。
「ん…」
引き寄せられるように、深い深いキスをした。