第1章 1.warmth
ローと恋人という間柄になって半年。
ローは恋人になったからといって
甘い言葉を囁いてくれるとか、そういうことは全くない。
出会った頃と変わらないままいつもクールで感情を表にださない。
告白したのもあたしからで
きっと今もあたしの”好き”のほうが大きいんだろうなと思う。
というより、
ローはあたしのことちゃんと想ってるのかな・・・
なんてマレに思うこともある。
ローがあたしに”好き”と言ってくれたのは、
あたしが告白したときに
”俺も好きだ。”
そう言ってくれた1回だけ。
ローと仲がいいペンギンさんやシャチ君は、
”アオはやっぱり特別なんだな!!”
ってよく言うけど・・・
自分ではわからない。
はっきり言って、ローはモテる。尋常じゃないくらいに。
すらっと長い脚。細マッチョ。整った顔立ち。頭もよくて、
何をさせても卒がない。その上職業が医者ときたら・・・
寄ってくる女の子はいくらでもいる。
だから、
言葉がないと不安にもなる。
見えてないだけなのかな・・・
あたしへの”特別”。