第2章 2.ホームの君
Side LAW♂
[明日、用事でもあるか?]
気になって返事がくる前にメールしちまった。
女一人にこんなになってる俺なんか、生まれて初めてだ。
今まではメールなんてウゼぇとしか思ってなかったし、
女との連絡なんて、やりたいときに呼び出すだけのものだった。
俺も好きになった女には臆病になるんだな。
自分を客観視して笑える。
でもしょうがねぇ。初めて自分からこんなにはまったんだ。
朝のホームだけじゃ、たりねぇ。
偶然なんか待ってらんねぇ。
俺は俺の運で、お前近づきたかったんだ。
・・・ピピピっ・・・
催促のように送ったメールに返事が届く。
[大丈夫です!!あたし終わるの5時半くらいですけど、何時にしますか?]
フッ。
緩む口元が抑えられないくらい嬉しさが全身をめぐる。
連絡先を知れたどころか、明日放課後会う約束までした。
これからは偶然じゃなくて、必然で#NAME1#と会える。
#NAME1#のことを思ってもやもやするのも終わりだ。
「明日・・・か。」
近づきてぇ。
知りてぇ。
「明日、言うか。」
明日お前は俺の彼女になる。
次の日
放課後、向かった待ち合わせ場所はいつもの駅の改札。
どっかいかねぇ?と誘ったものの・・・どこにいくか。
女となんて出かけたことねぇからな。。
「どっかいきてぇとこあるか??」
「ウ~ん。・・ローさんがいつも行くところ行きたいです。
服やさんとか、本屋さんとか。」
やわらかく微笑んだ#NAME1#にまた胸が苦しくなった。
俺がいつも行くところ・・・
「来い。いいとこつれてってやる。」
”いいとこ”って??と頭にクエスチョンマークを浮かべる#NAME1#。
そんな#NAME1#にフッと口角を上げて笑うロー。
ローは”いいから着いて来い”とある場所へと歩いていった。