第2章 2.ホームの君
Side LAW♂
電車を降りて学校へ向かう途中も俺の頭の中は
あの女のことで埋め尽くされていた。
{あの制服・・・ジュエリー屋と一緒か。
今日バイトのときに聞いてみるか。
いや待て・・・聞くっつてもどう聞くんだ・・・
あいつの名前も学年も知らねぇ。}
そんなことをぶつぶつ考えながら登校していると
後ろから声をかけられた。
「おはよ~っす!!キャプテ~ン!!!」
甲高い声で後ろから肩を組んでくるのはシャチ。
キャスケット帽がトレードマークの1つ年下の後輩。
そしてその横には同じクラスのペンギンがいた。
ペンギンは俺の幼馴染。
「ロー、お前なんか今日良いことでもあったのか??
朝から機嫌よさそうなお前なかなか珍しいぞ。」
そう言うペンギンにニヤリと口角を上げて笑うロー。
「フッ・・・クククっ。
いや、俺らしくないが・・・おもしろいもの見つけた。
これから楽しみだ。」
「え~!!どういうことっすか~!!
おもしろいものってなんすか~!!」
シャチが、キャンキャンとわめく。
「シャチ、わめくな。頭に響く。」
何のことか理解できていないシャチは横でわめいたまま
その横でペンギンは悟ったような顔をしてフッと笑った。