第2章 2.ホームの君
Side LAW♂
時刻は7:45
{あいつ今日もぎりぎりか?}
いつも俺の向かいのホームにいる女。
遅刻しねぇように必死なのか、ホームで息と髪を整えるその女の姿を確認するのが俺の日課になっていた。
いつもスッピンで髪の毛もボサボサ。
そんな女の姿を見つけてから本に目を落とす。
あいつがこっちを見ているのはなんとなく気付いていたが
目が合ってもあんな女とどうこうなるわけでもないし、気に留めず本を読んでいた。
いつもならそうだった。
でも、今日は違った。
7:50にホームに現れたお前に目を奪われた俺。
いつものボサボサ頭ではなく
少し緩くまかれた髪をポニーテールにして
いつもスッピンだった顔は
チークでほんのり頬がピンクで、
俺の中でありえない何かが始まろうとしていた。
{・・・・クククっ。やられたな。}
はじめてあいつと目が合った。
そして俺はお前に落ちた。