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薄桜鬼 蓮ノ花嫁

第28章 鬼



「それはつまり、彼らの背後に大量の羅刹がいる可能性があるのです。そうなれば、貴方達に敵いますか!? 鬼でも、ましてや……羅刹でもない貴方に!!」

「偉そうなことを言いやがると思えば、だからどうした! 確かに俺は人間だ、羅刹でもなんでもねぇ。けどな……俺が一度守ると決めたんだ。例え何を引き換えにしようとも、この俺が必ず志摩子を守る! あんたらに、渡す気もない」

「そう……。では、千鶴ちゃんはどう? 貴方達の傍にいれば、風間が貴重な女鬼として奪いに来るでしょうね。それはどうするおつもりで? 貴方達が、全て守り切れると?」

「それには、こいつらだってただ守られているだけのお姫様じゃねぇんだ。二人共、俺達新選組の一員だ。守れないとか、無理だとか、んなもんやってみなきゃわからねぇ! やりもしない分際で、勝手なこと抜かしてんじゃねぇ!!」


 土方は真っ直ぐと志摩子を見据えた。彼の気持ちを、既に決まっているのだ。何があっても志摩子を守る、新選組のためにではなく自分自身のために。守るべきもの、そして守りたいもの。そのどちらへの想いも貫くために、彼は覚悟を決めているのだ。

 土方だから言える、魂の込められた言葉。志摩子はそれを聞いて、何を思うか。

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