第23章 華
「土方さん、いいんじゃないですか? 志摩子ちゃんだって今じゃ新選組の仲間と言っても過言ではないでしょう?」
「総司か……」
姿を現したのは、沖田だった。
「それに、監察方を出すにしても場所は島原。男が潜入するには難しい場所です。女装するにしたって、そこまで女装が上手い監察方はいますか? だったら本物の女の子である二人に潜入してもらった方が確実です」
「だがな……何かあったらどうする!?」
「そこは僕らがお客さんとして一緒に入って、様子を伺うってことで」
「はぁ……」
話しにならない、という風に土方はその案をはねのけようとするが、千鶴は食って掛かるように沖田の案に乗る。
「あの、土方さん。私やります! 志摩子さんはどうかわかりませんが……私、皆さんの役に立ちたいんです!! 危険は承知です」
「しかし……」
「お願いします!!」
「……はぁ。どいつもこいつも、頑固な奴ばかりだな。……わかった、今回の任務。千鶴と志摩子に一任する」
「……本当ですか!?」
「ああ。だが、総司の言う通り数人俺達の誰かが客として入り、様子を伺う。その辺は店に顔がきくからな、手を回しておく」
「はいっ!」
許可が下りたことで、千鶴はほっとした顔で皆に良かったなと声をかけてもらっていた。土方は一人その場を離れ、この事を志摩子に伝えるため彼女の姿を探す。
すると、縁側に座り空を眺めている志摩子を見つける。