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薄桜鬼 蓮ノ花嫁

第18章 病



「一様……?」

「……っ、俺は鍛冶屋に行かねばならん。もう、行く」

「はい、いってらっしゃいませ。一緒に行けなくてとても残念です」

「一緒に……?」

「鍛冶屋ということは、刀を手入れですよね? 興味があったもので」

「刀に興味があるのか? 珍しいな。志摩子のように刀を持たぬ者には、さして興味のないものだと思っていたが」

「兄がいつも私に刀の話をするんです。きっとその影響かもしれませんね。いつか外に出た時には……もっと刀のことを知ってみたい、と。勿論私には扱えませんが。見ているだけなら、よいかと思いまして」

「うむ……」


 斎藤はちらりと洗濯物籠を見た。大した量ではないみたいだ。すると、斎藤は籠を手に物干し竿がある方へと歩き出した。


「手伝う、共に行こう」

「え?」

「……だ、駄目だったか?」


 気まずそうに振り返って、志摩子の返事を待つ。斎藤のそんな姿を見る日が来るなんで、思ってもいなかった志摩子は一瞬驚いた顔を見せるものの、すぐにふっと笑顔に変わる。


「いえ! 嬉しいです」

「……っ、そ、そうか」


 ほんのり頬を赤く染めた斎藤は、そそくさと洗濯物を運ぶ。彼の後ろ姿を追いかけながら、志摩子も少し照れくさそうに笑った。


 手早く洗濯物を終わらせると、二人は昼間の町へと出かけて行った。

 二人を玄関先で見かけていた沖田は、にやりと笑うと徐に土方の部屋へと向かった。

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