第15章 祈
「はい、とても立派な……新選組という名の侍です」
「そうか……」
心の奥で、ゆっくりと何かが溶けていくのを感じる。ほっとしたような、嬉しいような、むず痒いような。
「志摩子……」
「なんですか?」
「今はまだ何も為すべきことがなくとも、自ずと志摩子にも為すべきことが見つかるやもしれん」
「……はい」
「その時はけして迷うな、臆するな。少しでも隙を見せれば足元は掬われる。もしもどうにもならない時、自分では何もどうすることも出来ないと思った時……俺を頼れ」
「一様?」
「俺が必ず、志摩子の力になろう」
何処までの想いなら、彼女に届くのだろうか?
俺と彼女が生きる道は、まったく違うかもしれない。いつか離れ離れになる時が、来てしまうかもしれない。それでもいい、今だけは。
「志摩子、雪村から金平糖を貰った。これが終わったら、一緒に食べよう」
「……! はいっ、是非」
俺はあんたの味方でいよう。