第15章 祈
「俺は他の隊士達の洗濯物も聞いておこう。こうして総司を待っていると、時間がもったいないからな」
「何から何まで、すみません。一様に手伝って頂けて光栄です」
「いや……この程度、あんたが望むのならいくらでも……」
志摩子が笑ってくれるなら、俺に出来ることが出来ればと近頃は思ってしまう。これも情が移っているせいなのか。
俺は心を落ち着かせるように、志摩子から離れ他の隊士達の洗濯物を集め始める。雪村もそうだが、あの二人はこの大変な仕事を毎日二人でこなしているのか。今まで俺達が分担していたものも全て。そう思うともう少し自分の事は、自分でやらなくてはいけないなと思わされてしまう。
ふと、廊下を歩いている途中で雪村と遭遇する。
「あれ? 斎藤さん。そんなに沢山洗濯物を抱えてどうかしたんですか?」
「志摩子が今から洗濯物をするそうでな。俺も少し手伝ってやろうかと思ってな」
「なるほど……斎藤さんは優しいのですね。私も手伝いたいのは山々なんですが、私はまだ食器の後片付けが済んでないので」
「いや、雪村は雪村のやるべきことをやってくれ。此処は俺に任せてほしい」
「はいっ、ではお任せしました! あ、そうだ」
すると雪村は愛らしい小袋を一つ、俺へと差し出してくる。これは一体……?