お姉ちゃん大好き(黒子紫原ショタ夢)ライバルは赤司様
第1章 お姉ちゃんと一緒
お泊り会当日。
敦君はにこにことクマのぬいぐるみを抱いてやってきた。
「おね~ちゃんっ」
ぶんぶんと両手を振って、あたしに甘えた声を出してくる。
ぱふん、と音を立ててそのまま抱き付いてきたのでよしよしと撫でてやった。
ひそひそ、と1年生たちが何かを言っている。
「紫原って露骨だよな」
「あの6年生好きすぎだろ」
「つーかはずかしくないわけ? 普段からぼーっとしてるし、何考えてるかわかんねー」
敦君は敦君で聞いてるのか聞こえてないふりをしているのか、あたしにさらに抱き付いてくる。
「おね~ちゃん遊ぼ~」
「あ、うん、そうだね」
「おね~ちゃんの分もぬいぐるみ持ってきたし」
「ありがとう」
そう言って敦君はあたしにうさぎさんのぬいぐるみを渡してくれた。
「ままごとかよ」
敦君と同じクラスの男の子の言葉だった。
「なんか悪い?」
敦君は不機嫌そうに言った。
「幼稚園児みたい」
「はあ!?」
「敦君ストップ」
ぬいぐるみを持ったままぐりんと振り返った敦君を引き留める。
「喧嘩は駄目だよ。お姉ちゃんと遊ぼうね」
「ん~」
まあ、実際あたしも敦君はほかの子より子供っぽいなーとは思ってたけど、同年代から見るとそれってからかいの対象にやっぱりなっちゃうんだ。
でも、いじめられてはないみたいでよかった。
まあ、敦君ぐらい大きい子をいじめようとは思わないよね。
「今日のごはんはカレーでしょ~?」
「うん」
「にんじんさん食べてね?」
「好き嫌いは駄目だよ」
「好き嫌いしてもおっきくなれるしっ」
胸を張って言う敦君、説得力のあるお言葉ですこと。
「人参食べれたらご褒美あげちゃう」
「本当?」
「思いっきりなでなでしてあげる」
「いいの!?」
目をキラキラさせてあたしを見る敦君は、純粋でかわいい。いいじゃん、子供っぽくて、かわいいし。
「えへ~」
その日の夜、皆で頑張って作ったカレーを敦君はおかわりして食べた。
やっぱりお米がお口についてたけれど、それも自分できれいに拭いて食べてたよ。
そしてその夜に、事件は起こった。