お姉ちゃん大好き(黒子紫原ショタ夢)ライバルは赤司様
第1章 お姉ちゃんと一緒
「っ! きいてきいて~」
「なあに、敦君」
「もうすぐ宿泊体験だしっ学校にお泊りなんだって!」
「ああ、手つなぎペアの……」
6年生は修学旅行の練習も兼ねて、1年生は大人の第一歩として、学校で一日止まっていくのだ。
体育館に布団をたくさんひいてみんなで眠るのだとお兄ちゃんは言っていた。
6年生の性別ごとに、第1体育館と第2体育館を振り分ける。女の子は第1。
「お菓子持ってていいかなあ~」
「敦君、遠足じゃないんだよ?」
「運動会ならいいんだよね~?」
「まだ10月は先だよぉ、今はまだ6月」
「長いし」
「学園祭もあるよ。フリーマーケットとか、色々。手つなぎペアでも色々あるし」
「おね~ちゃんと一緒?」
「そうそう」
「やったあ~」
ゆる~く敦君は笑うのでこっちまでニコニコしてしまう。かわいいなあ。
「お泊りは、クマさんもってきていい~?」
「クマさん?」
「ん! クマさん」
「駄目だった記憶はないけど……あたしの時は、ぬいぐるみとかもってきてるとからかわれてたような気がする、持ってきてた子」
「駄目なの?」
こてん、と敦君が首をかしげる。
……そんな目であたしを見つめないで~。
「駄目じゃないよっ」
こう言うしかないじゃないっ。
もう、からかわれたら守ってあげなきゃ。
それが6年生のお姉ちゃんのお仕事だよね!
「同じお布団で寝ていい?」
(それも、からかわれてたと思う……けど)
「うん、寝ようね」
「えへへ~やったあ~」
まったく甘えん坊だなあ、敦君は。
その時はのんきに、あたしは敦君のことを考えていた。
彼のクラスでの敦君の立ち位置も知らずに。