お姉ちゃん大好き(黒子紫原ショタ夢)ライバルは赤司様
第6章 番外編4月1日
今日はエイプリルフール。
今日はいったいどんな嘘をつこうか。
そう思っていると家に敦君と征十郎君がやってきた。
もうすぐ中学生のあたしは、もう2人とは手つなぎペアではない。スっごく寂しいけどこうやって2人は遊びに来てくれる。
「おね~ちゃんっ」
「さんっ」
「どうしたの?」
かまってほしそうに甘えた目で見る敦君と、にっこりすまし顔の征十郎君。
「あそぼ~だし」
「遊びましょう」
「何して遊ぶの?」
「嘘をつくの」
まあ、なんて素直なんだろう。
子供って正直。ウソをつくって先に言っちゃったよ。
「大好き」
「オレもです」
あらら、それが嘘なの?
それはちょっと悲しすぎるな……そう思ってしょんぼりしていると、敦君たちがにっとわらった。
「だまされてるしっ」
「嘘って言ったことが嘘ですよっ」
泣きそうになっていたあたしは、思わずむっと頬を膨らませた。
「ひどい―二人ともっ」
「風船みたい~ぷくぷくぷ~」
「すみません、びっくりさせてみたくて」
「そんな事やったら本当に嫌いになるからっ」
「えっ」
「そんなっ」
あたしの言葉に2人はものすごく動揺して見せる。
敦君に至っては泣きそうだ。
「嘘だよっ」
「え~」
「……だまされました」
しかえし、しっかりしちゃうんだから。
「これからは楽しいうそをついてよね?」
「はあい」
「はい」
そう言って、あたしは2人に手を振った。
2年生になった彼らはまぶしい2年生バッジをつけて、2ゆっくり歩いていく。
それをみて、あたしは心がほっこり温まるのだった。