お姉ちゃん大好き(黒子紫原ショタ夢)ライバルは赤司様
第1章 お姉ちゃんと一緒
「紫原が熊だ……」
ざわつく体育館内。
敦君はご機嫌に笑う。
「ど~? ♪ かわいい~?」
「うん、すごく!」
ぎゅーってしたくなるぐらい!
「えへへ~おかーさんが作ってくれたんだよ~」
「よかったね~」
と二人でほのぼのしてると。
「バカじゃねーの」
またこの前の男の子がバカにするよう言った。
「はあ!? おかーさんががんばってつくたんだけど!?」
「お前のサイズじゃ売ってないからだろ? もう無理があるって気づけよ」
「なっ……!」
敦君の顔が赤くなる。
「俺らだったら売ってるけど、お前のは売ってねーじゃん。お前ぐらいでかいとかわいくないからだよ」
「ねーちゃんもにーちゃんも可愛いって言ってくれる!」
敦君がむきになって叫ぶ。
「家族だからだろ。でっかいくせにお前子供みたいだよな」
「子供じゃねーし」
「もう140あるくせに、巨人!」
「うるさいっオレだって好きでおっきいわけじゃないしっ」
いらだちを抑えきれずに敦君が目の前にあったぬいぐるみを投げた。
あたしは敦君のを後ろから抱きしめる。
ストン、とあたしのほうへと彼の体重がかかりあたしは座り込む。
「オレだって1年生だよ……」
「そうだね」
ぐすっっと泣き出す敦君をあたしはなだめる。
「駄目だよ、お友達いじめちゃ」
あたしは男の子に言った。
「友達じゃねーもん。紫原友達いねーよ、クラスに。だっていつも一人でボーっとしてお菓子食べてて変だもん」
「変とか言わないの」
「……」
「いい、体がおっきくてもみんなおんなじ1年生なんだから、見た目で判断しちゃだめだよ。それに中には小さい子が好きなものが好きな子だって大人っぽいものが好きな子だっているんだから」
あたしは敦君をなでながら言った。
「おね~ちゃん……」
「敦君も、もっとお友達と積極的におしゃべりとかしようね」
「うん」
「お菓子はおうちでも食べれるけど、お友達はお外にしかいないんだよ?」
「……ん」
あたしから見ればみんなかわいい1年生なんだけど、小さい頃ってなんか大きい子って大人っぽくて強そうに見えるんだよねえ。わかる。あたしもそうだったもん。
あたしはお兄ちゃんがそばにいたからそれは間違いだってすぐ気付いたけどさ。